大阪市では断然特区民泊がおすすめ!簡易宿泊所許可と民泊新法届出との比較

民泊の種類

合法民泊の場合、以下3種類の方法があります。
 
  1. 簡易宿所許可(旅館業法の許可)
    http://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000435879.html
     
  2. 特区民泊認定
    http://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000341012.html
     
  3. 民泊新法届出(住宅宿泊事業法)
    http://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000422269.html

大阪市では断然特区民泊がおすすめ!

もし、あなたが大阪で民泊をするのなら、
◆新たに建築するなら簡易宿所
◆既にあるアパートや一戸建てで民泊するなら特区民泊

にすべきです!


理由は簡単です。
一番登録できる宿泊サイト数が多く、宿泊日数制限がなく民泊営業しやすいのは簡易宿所ですから、一から建築するなら簡易宿所にすべきでしょう。

しかし既存の建物は建築基準法の要件を満たすことがほとんど無理ですので、既に建築済のアパートや一戸建てなら、建築基準法の制限がほとんどない特区民泊にすべきということです。

民泊新法は1年間で最大180日しか営業できないのでそもそも商売になりません。

民泊がダメだった場合の、通常賃貸への変更には特区民泊が適してます!

ただ、新たに建築する場合でも1点だけ検討が必要な点は、民泊
がうまくいかなかった時にアパート等の一般住宅に転用しやすい
のは簡易宿所より特区民泊です。


簡易宿所は、旅館業に適合するよう建築しなければならない為、
一般住宅に戻す場合、用途変更も必要ですし、設備も変更が必要
なケースが多いです。

しかし、特区民泊の場合、例外を除き、用途は元々共同住宅です
のでアパート等に戻す場合も用途変更不要ですし、設備の変更が
必要なケースも少ないのです。

簡易宿所・特区民泊・民泊新法の比較

【1】年間営業可能日数・【2】最低宿泊日数は、簡易宿所が有利、次に特区民泊が有利

まず、年間営業可能日数と最低宿泊日数で比較しますと、年間営業可能日数は簡易宿所,特区民泊は年間365日全て営業可能、民泊新法は大阪市では年間180日以下しか営業できないとなっています。

次に最低宿泊日数は簡易宿所,民泊新法は1泊2日から可能、特区民泊は2泊3日以上からから可能となっています。

この比較からすると、年間180日しか民泊営業できない民泊新法は事業として大きく見劣りすることになります。
対して、最低宿泊日数は2泊から営業できれば集客にはそれほど影響ありませんので特区民泊は簡易宿所に対し見劣りしないという印象です。

実際に私も簡易宿所と特区民泊で民泊運営を大阪市の複数の地域で行っておりましたが、個人的には差は感じませんでした。

登録出来る宿泊サイト数は、簡易宿所が有利だが、特区民泊でも十分

登録出来る宿泊サイト数は、簡易宿所が最も多いです。

特区民泊,民泊新法もAirbnb、HomeAway、途家、agoda、booking.comなど民泊を行うのに必要な多くのサイトには登録出来ますので不便は感じないと思いますが、日本人観光客向けのじゃらんや楽天トラベルなどに登録できるのは簡易宿所だけです。

特に此花区・港区のように、ユニバーサルスタジオジャパンを利用する宿泊者を主として見込む施設であれば、日本人観光客向けのじゃらんなどがあった方がなお有利かもしれません。

但し、経験上booking.comでも十分に単価の高い日本人観光客は集客出来ます。


許可の取り易さは特区民泊・民泊新法が有利

許可の取り易さの順ですが、新法民泊≧特区民泊>>>>簡易宿所というイメージです。
 

(a)簡易宿所は建築基準法のせいで許可がとれない!

簡易宿所の最も大きな問題は、許可条件に建築基準法が大きくかかわって来ることです。

既存物件で簡易宿所許可を取るためには、少なくとも建築基準法上適法な建物である必要があるのですが、大阪市ですと、築15年以上の建物で建築検査済証がある物件の割合は20%程度という印象です。
全国的に見ても大阪市は検査済証のある物件の割合が非常に低いらしいです。

(b)大阪市の既存アパートは、検査済証がない物件がほとんど!

例えばアパートを建築する場合、建築計画を立てて、検査機関に建築確認をしてもらい、その確認を受けたとおりに建築し、完成したら完了検査を受けるのですが、建築計画どおりに建てていないと完了検査を受けられないので、検査済証が無い物件ができるのです。

なぜそのようなことをするのか?というと、理由はお分かりですよね。

法令通りに建築すると利益が少なくなるからです。例えば【容積率】というものがあります。これは土地面積に対してどれくらいののべ床面積の建物を建ててよいのかという制限です。

高級住宅街では60~150%程度、難波や梅田など商業地では400~1000%程度ですが、アパートの場合、容積率の緩和措置があり、屋内ガレージなどはこの容積率の算定から一定割合除外できるという規定がありますので、例えば容積率500%制限の100㎡の土地にアパートを建てようとすると100㎡×500%=延べ床面積500㎡以下のアパートが建築出来ることになります。

しかしオーナー様が、600㎡のアパートにしなければ収益が取れないと考えた場合、最初は100㎡をガレージ、500㎡を住居部分として建築計画を立てて、途中でそのガレージ予定部分も部屋にしてしまうというような手法です。

こうすると600㎡分の住居部分が出来ますが、完了検査は受けられません。こうして検査済証がない物件が出来上がるのです。

(c)検査済証がある物件でも違法増築されているケースはある!

ただ、完了検査を受けた後に、ガレージを部屋やテナントスペースに変更されているケースもありますので、検査済証があるだけでは絶対に大丈夫とも言い切れません。

手順としては、検査済証のある物件ということが最低条件として、検査後違法増築がなされていないかを建築士に確認して頂かなければなりません。

​(d)簡易宿所にすると容積率の緩和措置がなくなり、違法建築物になってしまうかも?!

またもう1点、容積率で問題が出てくるのは、前述のとおりアパート等共同住宅は、ガレージ部分等を容積率に算入しないという緩和措置があるので、その緩和措置の範囲で容積率ギリギリの建築をしているケースが多いですが、これを簡易宿所に変えると、容積率の緩和措置が外れます。

ということは、簡易宿所に変更するとその時点で既に容積率オーバーとなり、建築基準法違反となる可能性があるということです。


(e)結論:だから既存建物での簡易宿所はハードルが高すぎる!

これらをクリア出来て初めて建築基準法上の用途を「共同住宅」から「旅館・ホテル」に変更する手続きを取ることが出来る可能性が出てくるということです。これ以外にも階段の幅などを「旅館・ホテル」の条件に合わせなければならないのです。

と、ここまでが建築基準法の話で、次に消防法、旅館業法という規制をクリアしていくという流れになります。

そうすると結論としては、大阪市内の既存建物を簡易宿所に変更することは、非常にハードルが多いので、簡易宿所をするのであれば一から新たに簡易宿所に合うように新築される方が良いという結論になります。

​(f)特区民泊は建築基準法上の条件がほとんどなくて、許可がとりやすい!!

この簡易宿所との比較で分かりやすいのが特区民泊です。
特区民泊は建築基準法上の規制がほとんどなく、用途変更の確認申請も例外を除いて原則不要です。

ですので普通の一戸建てやアパートマンションの一室で、建築基準法を気にすることなく民泊をすることが可能なのです。

(g)特区民泊でも、一戸建ての3階建てだけは注意!!

唯一といってよい建築基準法上の規制は、3階以上の階で
民泊をする場合は、建物が耐火建築物である必要がある
という点です。

厳密にいうと、建築検査を受けていない物件が耐火建築物で
あるという立証は非常に難しいですが、4階建て以上のア
パート・マンションでは、耐火建築物でなければそもそも
建築計画が通りませんので、現状建築指導部も何も言って
きていません。注意が必要なのは3階建ての一戸建てです。

3階建ての一戸建てで民泊をやるのであれば、検査済証が
あり、かつ、耐火建築物であることが建築確認申請書に記
載されていなければ許可が下りない可能性があります。


※2019/10/1修正
2019年6月25日に建築基準法改正法が施行されました。
3階建ての建築物で民泊をする場合あっても、延べ床面積が
200㎡未満の場合で、かつ「必要な措置」を講じることで
耐火建築物でなくてもよくなりました。
なお、「必要な措置」とは大阪市では、警報器の設置かつ、
竪穴区画が設置されていること。ということです。

また、消防法でも2018年に木造3階建て住宅での民泊に
ついては、本来通常の自動火災報知設備設置が必要なところ、
以下の条件を満たしている場合は、特定小規模施設用自動
火災報知設備の設置で足りるとされており、木造3階建て
住宅での特区民泊もしやすくするための法整備が整って
きたと思われます。

1、地下階を含み、3階建て以下であること。
2、延べ床面積が300㎡未満であること。
3、3階又は地下階の宿泊室の合計延べ床面積が50㎡未満であること。
4、全ての宿泊室の出入口扉に施錠装置が設けられていないこと。
5、全ての宿泊室の宿泊者を一の契約に基づき宿泊させること。
6、階段部分には、煙感知器を7.5m以下の間隔で設置させること。
7、特定小規模施設用自動火災報知設備は156号省令第3条第2項
及び第3項の規定により設置すること。

 

(h)最大の難関は消防!!

では、特区民泊(簡易宿所,民泊新法も同じです)で最も大き
な障害となるのは何かというと、消防法の規制です。
民泊の添付書類の一つに消防法令適合通知書があるので、
この交付を受けるためには、建物全体が消防法令に適合し
ている必要があります。

当職が相談を受けたケースでも75%程度は、消防法の規制
の為民泊を断念されている印象です。

消防法は非常に難解でパズルのようなものですので、詳細
を知りたい方はこちらをご覧下さい。
ただ本当に難解で複雑ですから、具体的な案件をもって、
直接当職にご質問頂いた方が良いと思います。

消防法についてはこちら>>                                        

(i)消防法をクリアすれば特区民泊許可は目の前です!

消防法上の条件をクリアすれば、後はほぼ保健所の基準だけです。数点例を挙げると、
  1. 延べ床面積が壁芯で25㎡以上(ベランダ除く)、
  2. 居室内にトイレ・風呂(シャワーのみも可)・台所・洗面所(60cm×50cm以上が望ましいが、現状40cm×30cmでもほぼ認められている)が各1個以上設置されている、
  3. 適当な採光・換気がある、
  4. 適当数のエアコン等冷暖房設備が設置されている。

この4点程度で、普通のアパートや戸建てであるなら、1以外はほぼ条件を満たしているはずです。

結論とすれば、特区民泊をとるなら、2階建ての一戸建てが最もよいということになります。2階建ての一戸建てであるならほぼ間違いなく延床25㎡以上ですし、消防設備もだいたい25~30万円程度で済み、収容人数も多く入れられるので収益的にもよく、許可が取れないケースの方が少ないです。

特区民泊は110~140万円、簡易宿所は500万円以上費用がかかる場合も!

ここにいう「費用」とは、行政書士報酬、消防設備費用、家具代、備品代、内装代など、(物件取得費を除いた)民泊許可取得に必要な費用合計を指します。

特区民泊と民泊新法は一緒です。家具や内装に拘らなければ、だいたい110~140万円くらいで民泊許可まで持っていけます。簡易宿所は、建築基準法の用途変更費用が大きいですので、300万円とは記載していますが、場合によっては用途変更までで500万円以上かかるケースもあるようです。

費用で考えると簡易宿所に比べ、特区民泊・民泊新法が非常に有利だと思われます。 当職は、民泊許可だけではなく、大阪市で実際に物件を賃貸して、消防設備設置、家具備品の購入、宿泊サイトの登録等、合法民泊施設の立ち上げから運営まで10件弱ほどにかかわりましたので、許可手続きや消防設備のみならず、物件選定や、具体的な費用感、だいたいの売り上げ予測の面でもご協力できるかと思います。

民泊がダメだった場合も、特区民泊のほうが有利!

民泊は不動産投資の一種ですから、当然ダメだった場合のリスクヘッジは検討されるでしょう。

民泊がうまくいかなかった場合、一般的に考えられるのはアパート・マンションへの転用です。簡易宿所は用途が【旅館ホテル】ですから、一般住宅に転用する場合、原則用途変更が必要ですので、ここに余分に費用が必要となります。それに対し、特区民泊・民泊新法はもともと用途が【共同住宅・戸建・長屋等】であるので、アパートマンションに転用する場合でも、原則用途変更は不要です。

また簡易宿所は、原則玄関帳場を設置する必要がありますが、アパートに転用する場合必要がなくなりますので、その撤去費用も必要でしょう。特区民泊・民泊新法は玄関帳場は不要ですので、そのような心配もありません。

最後に間取りですが、これも、そのエリアで一般住居として需要が見込める間取りにしておいた方が安全です。今は、やはり2DK,40㎡以上以上の間取りが人気ですので、簡易宿所や民泊新法で民泊をする場合でも、上記間取り以上のもので民泊をしたほうが安全でしょう。