【不許可事例】家族滞在の妻の年収が途中から103万円、130万円を超えたことによる様々な問題で永住不許可【大阪入管】
【不許可事例】家族滞在の妻の年収が途中から103万円、130万円を超えたことによる様々な問題で永住不許可【大阪入管】
2023/6/16
ジャンル 在留.永住許可
ご相談内容
勤務年数が5年以上経過し、収入も安定している為永住申請をしたいというご相談
※奥様は出産の為、子どもを連れて中国に戻っている為、今回は本人1名のみでの申請
解決方法、内容
⑴聞き取り時の内容
本人の年収は直近5年間平均で450万円ほどあり、奥様も数年前から派遣社員として200万円程度稼いでらっしゃる。
奥様は年収が130万円を超えた時点で社会保険の第3号被保険者から脱退し、国民年金、国民健康保険に切り替え
妻と子1人の3人家族
本人は日本の大学を卒業し、日本語能力もN1、大学卒業からずっと同じ会社で、5年以上税金は特別徴収、社会保険(厚生年金)加入
犯罪歴無し、交通違反歴駐車禁止違反1回のみ

以上の内容から、ほぼ永住許可は問題ないと思われました。


⑵問題点の発覚
永住許可申請スタートの為、資料を集めたところ、2つの問題点が発覚しました。
①奥様の国民年金保険料に大幅な延納があること。
②奥様の年収が配偶者控除額を超えた後も、旦那様の税金の配偶者控除に奥様が入り続けていたこと。


①の問題点は、年金保険料の領収書が無かった為、年金事務所で取得できる被保険者記録照会回答票で発覚しました。
3か月以上の遅れが、確認対象期間である直近2年以内にありました。

②の問題点は、それまでは奥様の年収が103万円以下であった為、配偶者控除として満額の33万円を受けておられましたが、2年前から奥様の収入が増加し、2年前は103万円を超えたため配偶者特別控除の範囲内、1年前は配偶者特別控除すら受けられない年収を受け取っておられました。
申請者様のそれに伴い、社会保険の第3号被保険者からはちゃんと奥様を外されておりましたが、税金の配偶者控除に関しては、会社側からは去年の申告をベースにした配偶者の収入を入れ込んだ年末調整書類に、そのまま名前などを記載して提出していた為、実質配偶者控除分を脱税している形になってしまっておりました。

この点について依頼者に誤りを指摘し、会社へ2年分の修正申告をしてもらいました。
会社経営者や経理担当者でない限り、税金の仕組みを理解していない方がほとんどであり、会社の経理から渡された書類に深くチェックせず署名捺印して提出することはよくあることですので、故意の脱税ではなく、過失による脱税であり、既に修正申告の上、その分は納税し、深く反省している旨を理由書にも記載しました。

ただ正直なところ、奥様の国民年金保険料の3か月以上の延納と、税金の配偶者控除を不当に使っていた点がある為、このまま申請しても許可率は50%を下回ることを説明しましたが、そのまま申請をご希望されたため、大阪入国管理局へ永住申請を行いました。


⑶7か月後、不許可通知到着・・
結果として、やはり添付のとおり、上記2つの理由により不許可となりました。
今回のケースの場合、奥様が頑張って稼ぎすぎ、税金面でも年金保険料面でも扶養の範囲を超えたことにより発生した不許可事由となりました。
※奥様は今回永住申請はされておりませんが、現在入国管理局は、永住申請の場合、夫婦の片方だけ永住申請をしても、夫婦両方の税金、健康保険料、年金保険料の資料を要求します。連帯責任という考え方で審査をしています。

資格外活動許可の範囲で家族滞在の配偶者がアルバイトをされるケースは多く有りますが、所得税の配偶者控除の103万円、社会保険の第三号被保険者の130万円を超える場合は、税金関係でミスが出ないように慎重になさって下さい。
分からない場合は、永住許可が出るまでの間は、103万円を超えないようにされた方がよいかと思います。

今回のケースを含め、最近は家族滞在の奥様が原因で旦那様の永住申請が不許可となるケースが複数発生しています。
十分ご注意ください。
参考費用
報酬0円(不許可であった為)
実費約12,000円のみ(ご夫婦の住民税の課税納税証明書や、各種書類を全て当所で取得したのと、取得に行く役所が大阪市外であった為交通費が多くかかった為、通常は1人の申請ですと、実費は5,000~6,000円程度です)

お客様の情報
大阪府/中国籍/男性

関連解決事例

【不許可事例】家族滞在の妻の年収が130万円を超えたのに、社会保険の扶養(第3号被保険者)から妻を外していなかったという理由で永住不許可【大阪入管】
在留.永住許可
【不許可事例】家族滞在の妻の年収が130万円を超えたのに、社会保険の扶養(第3号被保険者)から妻を外していなかったという理由で永住不許可【大阪入管】
2023/3/31
【不許可事例】独身女性の方、5年間の平均年収が不足しているという理由で永住不許可【大阪入管】
在留.永住許可
【不許可事例】独身女性の方、5年間の平均年収が不足しているという理由で永住不許可【大阪入管】
2022/9/2
【不許可事例】直近2年以内の年金保険料を延納していた日本人配偶者ビザの方、永住不許可となりました【さいたま入管】
在留.永住許可
【不許可事例】直近2年以内の年金保険料を延納していた日本人配偶者ビザの方、永住不許可となりました【さいたま入管】
2021/7/8