【不許可事例】家族滞在の妻の年収が130万円を超えたのに、社会保険の扶養(第3号被保険者)から妻を外していなかったという理由で永住不許可【大阪入管】
2023/3/31
ジャンル | 在留.永住許可 |
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ご相談内容
過去に2回ご自身で永住申請したが不許可となった。
1回目不許可理由は、入管局の調査の結果【従事している業務内容が技術人文知識国際業務に該当しない内容である】とされたため
2回目不許可理由は、1回目の申請から2年後に行ったところ、【1度目の永住申請で就労内容が技術人文知識国際業務に該当しない】とされたため、その時点で【就労期間5年のカウントが0になった為、再度そこから5年間が必要】とされたため
そこで1回目の不許可から新しい会社に転職し、5年経過し、収入も安定しているので妻と子の家族3人で永住申請したいというご相談
1回目不許可理由は、入管局の調査の結果【従事している業務内容が技術人文知識国際業務に該当しない内容である】とされたため
2回目不許可理由は、1回目の申請から2年後に行ったところ、【1度目の永住申請で就労内容が技術人文知識国際業務に該当しない】とされたため、その時点で【就労期間5年のカウントが0になった為、再度そこから5年間が必要】とされたため
そこで1回目の不許可から新しい会社に転職し、5年経過し、収入も安定しているので妻と子の家族3人で永住申請したいというご相談
解決方法、内容
①永住ビザの要件の整理
永住ビザの要件は、
(a)素行善良要件
犯罪歴や交通違反歴、特に直近5年以内で罰金刑以上の刑罰を受けているとほぼアウトとなる。交通違反も多すぎると厳しくなります。
交通違反は当職の感覚では直近5年で4回がボーダーラインと考えています。
(b)独立生計要件
世帯全員の収入、資産、技能でその世帯が安定して生活出来てきたか?また今後も生活していけるか?
当職の感覚では大阪府ですと、1人世帯であれば直近5年間の平均で約290万円がボーダーラインで、扶養家族が1人増えると+30~40万円程度加算されるという認識です。
資産は銀行預金で200万円ほどあれば問題ないかと認識しています。
他に技能として日本語能力の有無、資格の有無、高学歴などもプラス要素となります。
もっとも不許可理由になる要素であり、もっとも注意が必要な要件です。
(c)在留・就労年数要件
就労ビザの方は日本に引き続き在留10年、就労5年以上が必要です。
なお在留中で半年以上継続して日本から離れている場合、内容によってはその時点で在留期間が途切れていると認識される危険性もありますので、そのような期間がある場合は、理由書で説明が必要です。
就労は転職が挟まっている場合でも2,3か月程度であれば、その期間も含めて5年間で見てもらえるケースがありますが、審査官によりますので、基本的には実際の就労期間の通算で5年間が望ましいでしょう。
(d)納税義務用件
住民税・所得税・年金保険料・健康保険料を未納も延納もしていないかという条件です。(消費税や贈与税も含まれますが、経営者以外にはほぼ無関係です)
この内、所得税はその月に得た収入に対してのみ発生する税金である為、あまり問題は発生しません(無職の期間に請求されることがほぼない為です)
問題は住民税と年金保険料・健康保険料です。
住民税は直近5年間を見られます。
年金保険料・健康保険料は直近2年間を見られます。
見られるポイントは2つあり、1つ目は【未納がないか】です。2つ目は【遅れて払ったことがないか】です。
この内問題になりやすいのは2つ目の【遅れて払ったことがないか】という点です。
まず直近5年間ずっと社会保険(厚生年金)加入で、税金も給料天引きであればまったく問題ありません。
問題が発生しやすいのは無職の期間があった場合の住民税と年金保険料です。
給料天引きであれば会社が払うので【遅れて払う】という概念がないのですが、給料天引きでない場合は銀行やコンビニで自分で納付することになり、遅れて払うことがあり得ます。また健康保険料と異なり、年金保険料は外国人の方にとって必要性が低い為、無職の時に免除を受けているケースも多いです。
住民税においては直近5年間、健康保険料,年金保険料においては直近2年間の間に無職の期間などがあり自分でコンビニ等で納付した場合は、その領収書を添付し、【遅れなく支払ったか】の証明をしなければなりません。
これで遅れて納付していた場合は、程度によりますが、かなり永住許可は厳しくなります。
ですので(b)独立生計要件に次いで、重要な要件です。
今回のお客様の場合、
(a)素行善良要件は、犯罪歴はありませんが、直近5年間で4回の軽微な交通違反をおこなっており、ボーダーラインぎりぎりというところでした。
(b)独立生計要件は、就労ビザの夫が直近5年間平均で390万円程度、家族滞在の妻が直近5年平均で100万円程度の年収で、資産も500万円近く有り、日本語能力もN1をお持ちだった為、十分要件を満たしておりました。
(c)在留・就労年数要件は、夫は新しい会社で5年間勤務を継続されており、在留期間も就労期間も問題ありませんでした。
妻・子もそれぞれ「永住者相当者の妻・子」として期間を満たしておりましたので、この要件はOKでした。
(d)納税義務用件は、夫は直近5年間ずっと社会保険(厚生年金)加入、税金も給料天引きであり、妻もずっと夫の第三号被保険者であり、税金も給料天引きであった為、問題ないと考えられました。
②永住不許可!
この内容で永住申請したところ、5か月後に【家族滞在の妻の年収が130万円を超えたのに、社会保険の扶養から妻を外していなかったという理由で永住不許可】という通知書が、大阪入国管理局から届きました・・
普通は社会保険扶養からはずれてしまう130万円の壁を越えないように、会社側も調整して働かせるはずであり、当職も正直意識から外してしまっていたのですが、妻の収入は4,5年前はほぼ0で直近3年間で収入が100万円以上になり、1年前2年前は130万円を少し超えていました。
本人に聞くと、コロナで休業協力金を国から受給した分と、普通の給料が混じった為、130万円を超えたかどうかが分からなかったそうです。
思わぬところで不許可となってしまった事案ですが、コロナ時期特有の問題点であったかもしれません。
最近は配偶者側の問題で、就労ビザ本人側も連帯責任で永住不許可になるケースが発生しています。
これは配偶者をはずして就労ビザ本人だけで永住申請しても、配偶者の納税関係書類の提出を求められる為、避けて通れない問題ですので、永住申請をお考えの場合は、配偶者の方でも問題がないかチェックされることをお勧めします。
とはいっても、専門的で難しい問題が多いので、一度専門の行政書士にご相談されることをお勧めします。
永住ビザの要件は、
(a)素行善良要件
犯罪歴や交通違反歴、特に直近5年以内で罰金刑以上の刑罰を受けているとほぼアウトとなる。交通違反も多すぎると厳しくなります。
交通違反は当職の感覚では直近5年で4回がボーダーラインと考えています。
(b)独立生計要件
世帯全員の収入、資産、技能でその世帯が安定して生活出来てきたか?また今後も生活していけるか?
当職の感覚では大阪府ですと、1人世帯であれば直近5年間の平均で約290万円がボーダーラインで、扶養家族が1人増えると+30~40万円程度加算されるという認識です。
資産は銀行預金で200万円ほどあれば問題ないかと認識しています。
他に技能として日本語能力の有無、資格の有無、高学歴などもプラス要素となります。
もっとも不許可理由になる要素であり、もっとも注意が必要な要件です。
(c)在留・就労年数要件
就労ビザの方は日本に引き続き在留10年、就労5年以上が必要です。
なお在留中で半年以上継続して日本から離れている場合、内容によってはその時点で在留期間が途切れていると認識される危険性もありますので、そのような期間がある場合は、理由書で説明が必要です。
就労は転職が挟まっている場合でも2,3か月程度であれば、その期間も含めて5年間で見てもらえるケースがありますが、審査官によりますので、基本的には実際の就労期間の通算で5年間が望ましいでしょう。
(d)納税義務用件
住民税・所得税・年金保険料・健康保険料を未納も延納もしていないかという条件です。(消費税や贈与税も含まれますが、経営者以外にはほぼ無関係です)
この内、所得税はその月に得た収入に対してのみ発生する税金である為、あまり問題は発生しません(無職の期間に請求されることがほぼない為です)
問題は住民税と年金保険料・健康保険料です。
住民税は直近5年間を見られます。
年金保険料・健康保険料は直近2年間を見られます。
見られるポイントは2つあり、1つ目は【未納がないか】です。2つ目は【遅れて払ったことがないか】です。
この内問題になりやすいのは2つ目の【遅れて払ったことがないか】という点です。
まず直近5年間ずっと社会保険(厚生年金)加入で、税金も給料天引きであればまったく問題ありません。
問題が発生しやすいのは無職の期間があった場合の住民税と年金保険料です。
給料天引きであれば会社が払うので【遅れて払う】という概念がないのですが、給料天引きでない場合は銀行やコンビニで自分で納付することになり、遅れて払うことがあり得ます。また健康保険料と異なり、年金保険料は外国人の方にとって必要性が低い為、無職の時に免除を受けているケースも多いです。
住民税においては直近5年間、健康保険料,年金保険料においては直近2年間の間に無職の期間などがあり自分でコンビニ等で納付した場合は、その領収書を添付し、【遅れなく支払ったか】の証明をしなければなりません。
これで遅れて納付していた場合は、程度によりますが、かなり永住許可は厳しくなります。
ですので(b)独立生計要件に次いで、重要な要件です。
今回のお客様の場合、
(a)素行善良要件は、犯罪歴はありませんが、直近5年間で4回の軽微な交通違反をおこなっており、ボーダーラインぎりぎりというところでした。
(b)独立生計要件は、就労ビザの夫が直近5年間平均で390万円程度、家族滞在の妻が直近5年平均で100万円程度の年収で、資産も500万円近く有り、日本語能力もN1をお持ちだった為、十分要件を満たしておりました。
(c)在留・就労年数要件は、夫は新しい会社で5年間勤務を継続されており、在留期間も就労期間も問題ありませんでした。
妻・子もそれぞれ「永住者相当者の妻・子」として期間を満たしておりましたので、この要件はOKでした。
(d)納税義務用件は、夫は直近5年間ずっと社会保険(厚生年金)加入、税金も給料天引きであり、妻もずっと夫の第三号被保険者であり、税金も給料天引きであった為、問題ないと考えられました。
②永住不許可!
この内容で永住申請したところ、5か月後に【家族滞在の妻の年収が130万円を超えたのに、社会保険の扶養から妻を外していなかったという理由で永住不許可】という通知書が、大阪入国管理局から届きました・・
普通は社会保険扶養からはずれてしまう130万円の壁を越えないように、会社側も調整して働かせるはずであり、当職も正直意識から外してしまっていたのですが、妻の収入は4,5年前はほぼ0で直近3年間で収入が100万円以上になり、1年前2年前は130万円を少し超えていました。
本人に聞くと、コロナで休業協力金を国から受給した分と、普通の給料が混じった為、130万円を超えたかどうかが分からなかったそうです。
思わぬところで不許可となってしまった事案ですが、コロナ時期特有の問題点であったかもしれません。
最近は配偶者側の問題で、就労ビザ本人側も連帯責任で永住不許可になるケースが発生しています。
これは配偶者をはずして就労ビザ本人だけで永住申請しても、配偶者の納税関係書類の提出を求められる為、避けて通れない問題ですので、永住申請をお考えの場合は、配偶者の方でも問題がないかチェックされることをお勧めします。
とはいっても、専門的で難しい問題が多いので、一度専門の行政書士にご相談されることをお勧めします。
参考費用
報酬:不許可のため0円(永住許可が取得出来た場合は、165,000円(税込181,500円)の報酬を頂く予定でした)
実費:10,760円のみ
実費:10,760円のみ
お客様の情報
大阪府/中国籍/家族3名