工場機械の管理点検・分解・整備業務のエンジニアとして2名の技術(技・人・国)ビザの取得が出来ました【神戸入管】
工場機械の管理点検・分解・整備業務のエンジニアとして2名の技術(技・人・国)ビザの取得が出来ました【神戸入管】
2023/2/3
ご相談内容
兵庫県のリサイクル工場を運営する会社様より、工場で使用している機械の管理、整備などの業務に従事させるため、インドネシア人技術者2名を雇用したいというご相談
解決方法、内容
⑴論点の整理
もっともポピュラーな就労ビザである【技術・人文知識・国際業務ビザ(以下【技人国ビザ】といいます。)】ですが、このビザは【技術ビザ】【人文知識ビザ】【国際業務ビザ】がひとくくりになっているビザです。
ですから、【技人国ビザ】と言っても、申請人が【技術ビザ】なのか【人文知識ビザ】なのか【国際業務ビザ】なのかを入管へ説明しなければなりません。
今回はその中の【技術ビザ】での申請となります。


⑵技術ビザの要件
この【技術ビザ】の要件は2点です。
①大学(専門学校含む)で学ぶ高度な学術上の知識素養を使う技術業務に従事すること。言い換えれば、高校卒業以下の者が、教えてもらえたら1か月程度で簡単に出来るような業務ではない業務に従事すること。
②同様の業務に従事する日本人と、同等以上の給料を得ること。

です。
②に関しては、わざわざ外国人の方に差別的な給与体系を採っている企業でない限り問題ありません。
ある程度の規模の会社様であれば賃金規程に照らせば、日本人と同等か否かは証明出来ますし、零細事業者様であれば、同じ業務に従事する日本人の方がいれば、その方の入社時の収入と同等にし、かつその方の入社時の給与内容を入管に示せば足りますので、大した問題ではありません。

ポイントはあくまで①です。


⑶大学(専門学校含む)で学ぶ高度な学術上の知識素養を使う技術業務
ここで検討することも2つあります。

・1点目:申請人が従事する業務は【大学などで学ぶ高度な学術上の知識素養を使う技術業務】なのか?
⇒この点は行政書士も、入管の審査官も一番分かりにくい部分です。技術はIT技術や機械技術など多岐にわたり、そもそも素人の行政書士などが理解できるレベルの技術業務は、大学などで学ぶ高度な学術上の知識素養を使う技術業務とは言えないともいえます。
行政書士としては、今まで許可された事例や、入国管理局が発表している許可・不許可事例などに照らして許可される可能性がある業務か否かを判断していくことになります。

今回のケースの場合、破砕や洗浄などの機械の管理・整備等ですが、マニュアルを見れば誰でも簡単に出来るものであればダメなわけです。
会社様から詳細に機械や業務の内容を聞き取り、理由書に纏めました。
また当職自身も工場まで足を運び、機械が存在することも確認の上、整備業務の説明を受けました。


・2点目:その業務に本当にその人数が必要な業務量があるのか?
こちらも重要なことで、本当に2名が1週間フルタイムで機械の管理・整備に従事するほどの業務量があるのか?ということです。
今回の場合、車で2時間ほど離れた2か所の工場で、合計5ラインの機械が設置されていることと、2名必要な理由は、「機械担当」と「電気系統担当」の2名が必要である為だったのです。
ですから、5ラインを2名別々で管理できるのではなく、2名で1ラインづつチェックしていかなければならない為、フルタイムで従事する業務量があったということです。
こちらもその旨を理由書に記しました。


⑷雇用する会社の決算内容
さらに申請人の従事する業務内容だけでなく、受入れ会社側の決算書にも注意が必要です。
直近年度の決算書の提出が必要なのですが、主な注意点は4点です、
①欠損金は無いか?
②債務超過になっていないか?
③営業損益はマイナスになっていないか?
④経常損益はマイナスになっていないか?

です。会社の資本金にマイナスが出ていたり、赤字会社になっている場合は、就労ビザの審査でマイナスとなります。
最近ですと、コロナ禍で、時短協力金や持続化給付金などを得ている場合、営業外利益である【雑費】として算入されますので、経常利益はプラスでも、営業利益はマイナスという状態の会社も多くあります。
これも事業での損益は赤字ということになると、安定していない会社と判断されるわけですので、そのような場合は、前々期の決算書がどうなっているかや、来期の見通しもあわせて提出することが必要となります。

今回のケースでは、資本金に欠損が生じていましたが、2か月後に新年度の決算書が発行され、その決算書では欠損が解消されているとのことでしたので、2ヶ月間待ってから申請をするように致しました。


⑸在留資格認定証明書交付申請の2か月後に追加書類指示書到着
在留資格認定証明書交付申請を行ってから2か月間、入管からは音沙汰がなかったのですが、2022年末ぎりぎりに追加書類の指示書が到着しました。
内容は、申請人が従事する業務内容を、もっと詳細に説明した文書や、その作業内容の写真を、【受入れ機関の会社が作成し】提出することという内容でした。

申請書と一緒に提出した理由書では作業内容を説明していたわけですから、わざわざ【受入れ機関の会社が作成し】としている部分で、審査官が細かく確認をしようとされていることが分かります。

ですので、その意図を説明の上、会社様に説明文書と写真をご準備頂き、入管に追加書類として提出しました。


⑹無事1年間の在留資格認定証明書到着
追加書類提出から10日後、無事2名分の在留資格認定証明書が到着しました。


技人国ビザは、【国際業務ビザ】の通訳翻訳業務を安易に使用する方もいらっしゃいますが、入管は細かく確認しており、適当な申請はすぐに見破られますし、嘘の申請をすると、会社様にとっても申請人様にとっても後で取り返しがつかない汚点を残し、在留許可の取り消しや、最悪の場合、不法就労助長罪として会社様も会社の経営者様も、申請人様も犯罪者になる危険性もあります。

また上記のとおり、1つの申請にも実に多岐に渡る論点があります。
あとで困らないように、行政書士に相談して正しい申請をするようになさってください。
参考費用
合計:165,038円

【内訳】
成功報酬:143,000円(税込157,300円)
実費:7,738円

技人国ビザの在留資格認定証明書交付申請は1人95,000円(税込104,500円)ですが、2名ともほぼ同じ業務に従事する内容の申請であった為、2人目は半額の48,000円(税込52,800円)でお受けしました。
案件によって内容が異なる為、複数名の申請の場合は、このように見積もりをさせて頂きます。
お客様の情報
インドネシア国籍/男性2名/兵庫県株式会社様

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