日本の会社を中国人の方に事業譲渡する為の経営管理ビザの在留資格認定証明書、無事取得成功【大阪入管】
日本の会社を中国人の方に事業譲渡する為の経営管理ビザの在留資格認定証明書、無事取得成功【大阪入管】
2021/11/3
ジャンル 在留.永住許可
ご相談内容
日本で飲食店の営業をされている中国人の社長様が、コロナ禍の影響で事業を辞める決断をされましたが、店舗や什器を含め事業一式を中国在住のサラリーマンのご夫婦が買い取って頂けるということになったので、中国在住の事業購入者の為の経営管理ビザの在留資格認定証明書交付申請をしたいというご相談
解決方法、内容
⑴経営管理ビザの要件該当性の確認
経営管理ビザの要件は【①申請人が経営者として本当に事業をする気持ちや能力があるか?】【②日本において事業所を確保しているか?】【③資本金は500万円以上あるか?】の3つです。
今回の場合、既にある会社を事業ごと買い取るということですので②③は問題ありません。
ですので今回は①の立証が全てということになります。

さて①ですが、申請人の方は中国でサラリーマンをされていて飲食とは全く無関係の仕事をされていました。また経営管理経験も全くない方です。
また、売主もコロナ禍の直前に会社を設立し、少ししか事業を出来ない状態で休業に追い込まれ、後は休業協力金等で凌いでおられていて、売主と買主が交わしていた事業譲渡契約書では1円で事業に関するすべての物品・権利を譲渡するとなっておりました。
そうなってくると「本当に日本で事業をするつもりがあるのか?経営管理のビザを取って日本に入国したら別の仕事をしようとしているのではないのか?」と当然に入国管理局は疑念を抱きます。
申請人から事情を聴き取りその疑念を晴らし、「本当に申請人は日本で事業をしようとしている」と入国管理局に納得させることが行政書士の職務となります。

⑵事業計画書の作成
まず1円で事業譲渡をしている理由を確認したところ、事務所と料理店店舗の月額賃料だけで毎月30万円近く負担があり、これを買主が既に負担してくれいる状態であったとのことです。コロナ禍でもあり入国し事業を開始するまで1年と考えると、360万円程度を支出することになる為、実質的には360万円程度で事業を買い取ったということになるわけです。

次に申請人に飲食経験や事業経験が無い点について、売主側が精密なレシピを準備しており、それに従って作ればプロ並みの料理が作れる点と、入国後、調理について売主がレクチャーするということでした。
また買主は飲食のみならず、既に日本国内で複数の物件を購入しており、その物件で民泊事業も並行しておこない、2つの事業を予定であるということでした。

⑶会社の変更登記申請
経営管理ビザを申請する為には、申請人が観光ビザ等で日本に入国しているか、または申請人の所属する日本の会社の従業員や役員が申請代理人として行政書士に依頼してもらわなければ申請出来ません。
※非常にややこしい話ですが、我々行政書士は申請者に代わって入国管理局に申請し、また在留カード等も代わって受取りに行けるのですが、「申請取次者」と言いまして代理人ではありません。
ですので我々行政書士も、申請人または申請代理人が日本にいる状態でなければ申請出来ないのです。

コロナ禍で申請人の観光ビザでの入国も難しい状態ですので、今回の場合は既に会社が存在する為、まず申請人を代表取締役に就任させ同時に、売主を代表取締役から代表権のない取締役に変更する役員変更登記を司法書士にしてもらいました。
これで買主は会社の経営者として経営管理ビザ申請が出来、在留期間1年のビザが取得できますし(会社が無い状態の場合、4か月のビザしか取れないので入国後すぐに更新申請をしなければならず負担になります)、さらに売主が申請代理人となれる為、申請の為にわざわざ申請人が一度日本に入国しなければならない負担もなくせます。
また売主から代表権を奪ったのは、小さい会社で役員が複数いると入国管理局に(役員は何人も不要だろう)という判断をされ、経営管理ビザが取得しにくくなる為、申請人のみ代表者とし、売主から代表権を奪って、さらに理由書に【売主は今回の申請代理人をする為だけにヒラの取締役で残っているが、申請人が入国出来たら取締役も退任し、この会社は申請人1人の会社となります】と説明をつけました。
小さな会社で2名以上取締役が存在する場合は、それぞれの役割(1名は経理と経営担当、1名は開発担当など)が明確に説明出来なければ、1名しか経営管理ビザが取得できない可能性が高まりますのでご注意ください。


⑷経営管理ビザ申請
上記変更登記が完了したところで、事業計画書を添えて大阪入国管理局へ経営管理ビザの在留資格認定証明書交付申請を行いました。

そして3か月後、無事に在留期間1年の経営管理ビザの在留資格認定証明書が届きました。

今回は申請人に経営経験も、譲渡をされた飲食事業の経験もない状態であった為、「本当にその事業をするつもりなのか」という立証に神経をつかいました。

2021年11月から入国制限の緩和措置がなされたため、審査済証の申請をし、入国してもらうという状況になっております。

日本国外の方が日本で事業をする為の経営管理ビザは、様々な要件をクリアする必要がありますが、その要件が何か?と言うこと自体一般の方は知りえません。ただ単に会社の登記をし、必要書類を揃えたら許可されるものでは全くありません。
申請の為には事業所の確保や資本金の払い込みなど多くの費用がかかるものですので、失敗は許されません。
日本において事業を行うため経営管理ビザの取得をお考えの外国の方は、我々ビザ専門の行政書士に一度ご相談下さいませ。
お役に立てるかと思います。
参考費用
総額:200,000円(税込220,000円)
【内訳 ①在留資格認定証明書交付申請費用:150,000円(税込165,000円)・②事業計画案作成費用50,000円(税込55,000円)】
お客様の情報
中国在住/男性

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