分譲マンションの1室を、所有者から転借して特区民泊申請をした事例
分譲マンションの1室を、所有者から転借して特区民泊申請をした事例
2023/8/8
ご相談内容
大阪市中央区の分譲マンションの1室を、所有者から転借して特区民泊したいというご相談
解決方法、内容
この事例は2つの注意点があります。
1つ目は、【分譲】マンションであることです。
2つ目は、【転貸借】であることです。

⑴【分譲】マンションの注意点
分譲マンションの場合、マンションの管理規約で民泊が認められていることを証明出来なければ特区民泊認定が取れません。
今回の物件は管理規約では民泊に関して何ら記載は有りませんでしたが、総会議事録において民泊を認める決議がなされておりました。
ですので、マンションの管理会社に数千円の費用を支払い、管理規約と総会議事録を出してもらいました。


⑵【転貸借】の注意点
建物の所有者から直接借りるのが【賃貸借】、そして建物の所有者から借りた人から、さらに借りるのが【転貸借】といいます。
はっきり言えば借りる人からするとデメリットしかありませんが、民泊物件が取り合いになってくると、この転貸借が増えてきます。
なぜデメリットしかないかと言いますと、所有者から直接借りる場合、月額8万円で借りたとすれば、その方がさらに転借人に貸す場合、月額8万円以上で貸さなければ、その方はメリットがないので当然それ以上の月額11万円とかで貸すわけです。
間に人が入る為、無駄に賃料が増えてしまうというのが1つ目のデメリットです。

次に、転借人が転貸人にちゃんと賃料を支払っていても、転貸人が所有者に賃料支払いを怠っていた場合は、転借人も出ていかなくてはならなくなります。
いわゆる【親亀こけたら子亀もこける】という状態です。
ですので自分で制御できないリスクがあるいうのが2つ目のデメリットです。

中には転借人がさらに貸す【転々貸借】などもありますので、物件を借りるときは自分が所有者から借りているのかどうかをしっかり確認され、上記理由から、よほど収益が見込める魅力的な物件でない限り、出来るなら転貸借物件は避けることをお勧めします。


さてこの転借して特区民泊申請をする場合、転貸人との転貸借契約書の中で【民泊してOK】となっているだけでは足りません。
【転貸人との転貸借契約書】の他、
①建物所有者から民泊申請者への民泊として使用してよい、という建物使用承諾書と、
②建物所有者から転貸人(賃借人)への民泊として使用してよい、という建物使用承諾書
がプラスで必要となります。

ですので今回はこの、転貸人との転貸借契約書と①②を準備してもらい特区民泊申請を行いました。

ですが建物所有者がそのような書類を出してくれない可能性も十分あります。
今回の案件は転貸借契約を締結される前からご相談を頂いていたので、上記①②の書類や、管理規約や総会議事録の提供もしてもらえるという条件で転貸借契約を進めることが出来ましたので問題はありませんでしたが、仲介していた不動産会社さんは民泊物件として取り扱っているのに、まったくこのようなことは認識されていなかったようで、当職から申し入れなければ契約後に所有者に頼まざるを得なかったり、そもそも管理規約のチェックしておらず、特区民泊認定が取れない物件を契約させられる危険性もあったわけです。

自己所有の戸建て物件での特区民泊申請であればこのような問題は出ませんが、賃貸物件や分譲マンションでの特区民泊申請の場合は、契約を締結する前に専門の行政書士にご相談されてから進められることをお勧めします。
参考費用
総額:223,000円

【内訳】
・当所報酬:180,000円(税込198,000円)
・保健所へ納付する申請手数料:21,200円
・交通費や立替実費:約4,000円
お客様の情報
大阪府/男性

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