9年前に資格外活動許可を得ずにアルバイトをしていたことのある方、無事永住許可取得【大阪入管】
9年前に資格外活動許可を得ずにアルバイトをしていたことのある方、無事永住許可取得【大阪入管】
2021/12/24
ジャンル 在留.永住許可
ご相談内容
9年前に資格外活動許可を得ずにアルバイトをしていたことのある方より、未成年の子に永住権を取得させたいので一緒に永住申請したいというご相談を受けた事例

①直近1-5年間:本人年収600~800万円、世帯年収1000~1200万円
②預金:1500万円以上
③研究機関に研究者(正社員)として10年間勤務・在留20年以上
④研究ビザの5年ビザ
⑤妻と子の3人家族:妻は現在他府県の大学に教授として従事している為、父と子の2名での申請
⑥旧日本語能力試験1級合格者
⑦犯罪歴:無し
⑧交通違反歴:10年前に交通事故あり、過失割合は申請人25:相手方75、免許はずっとゴールド免許
⑨研究実績で日本への貢献が認められる
⑩子も大学に合格し4月から管轄外の他府県に引っ越す
解決方法、内容
⑴問題点の整理
申請人のステータスは非常に高く、難易度は低い案件ですが、2点論点がありました。

①9年前に資格外活動許可を取らずに、大学で臨時講師をしていた期間がある。
②10年前に交通事故があった。


⑵問題点の整理と理由書の方向性の確定

①9年前に資格外活動許可を取らずに、大学で臨時講師をしていた期間がある。
まず資格外活動許可を取らずに資格外活動をした場合、入管法第22条の4第5号に該当し、在留資格の取消処分を受ける可能性があります。
次に同法第19条、及び70条により【三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三百万円以下の罰金】の刑事罰も受ける可能性があります。
ですので、永住許可だけでなく、現在の研究ビザの取り消しや刑事罰というようなことになってしまう危険性もあるデリケートな問題でした。

結論としては問題ありませんでしたが、以下詳細を説明します。
(a)まず、在留資格取り消しを規定する同法第22条の4第5号は平成29年1月1日から新たに制定された条文です。
日本の法律は不遡及の原則がありますので、新たに制定された条文によって、その前にあった行為を罰することは出来ないとされています。
問題の資格外活動は10年前(平成22年頃)ですので、この条文では罰せられないということになります。
(b)仮に法律制定後に行っていたとしても、この条文は「【研究】活動を行わず、かつ【教授】活動を行った場合の規定」であり、月~金は研究活動をし、毎週末に数時間程度講師のアルバイトするレベルであれば取消などの対象ではない

以上、(b)の観点からも今回の行為は資格外活動に該当せず、そもそも(a)の観点から間違いなく大丈夫という結論となります。

次に同法第19条「当該在留資格【研究】活動に属しない収入を伴う報酬を受ける活動【教授】」をした場合に、同法第70条「三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三百万円以下の罰金」となるという点ですが、そもそも上記同法22条の4第5号のとおり、問題ないと判断出来ますが、仮に該当したとしても、刑事訴訟法第250条第6号により公訴時効期間は、行為が終了した時点から3年となっており、公訴時効期間も経過していると思われます。

以上のことから①については問題ないと判断されました。


②10年前に交通事故があった。
1~3点の軽微な違反の場合は、永住申請時点から直近5年以内に3回以内であれば、大きなマイナスにならないと判断出来ますが、もし裁判所に呼ばれ、罰金刑以上の処分を受けた場合、刑事罰を受けたことになり、永住許可要件の中の【素行善良要件】(罰金刑の執行が終わり、又は失効の免除を得た者が、その後罰金以上の刑に処せられないで5年を経過したとき)に抵触する可能性があり、直近5年内にあった場合は、それだけで永住許可は難しくなり、5年を経過していたとしてもマイナスの評価を受けることになります。

この点、申請人は免許取り消しや失効もなく、ずっとゴールド免許だったらしく、運転記録証明書を開示したところ、10年以上無事故無違反ということも確認出来ましたので物損事故として減点をされなかったと判断出来ました。


③子が申請の1か月後に他府県に引っ越す点
同管轄内(大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山)に住んでいない場合、一緒に永住申請が出来なくなります。
対して住所を変更した場合、14日以内に届け出する義務もあります。
この点、大阪入国管理局永住審査部門に相談したところ、あくまで大学進学の為の一時的な移動で、かつコロナ禍でオンライン授業もあるところから、住所は変更せずに申請を進めてよいと回答を頂きました。


⑶理由書の作成・永住許可申請
以上の事柄をすべて理由書に記載し、永住申請を行いました。
申請から7か月を経過したところで、大阪入管より無事永住許可通知が届きました。


全ての物事には条文なり、判例なり、審査要領なり、根拠があります。
我々ビザ専門の行政書士は、その根拠となる法律等の知識と、実際の申請の経験を豊富に持っている為、許可率をあげることが出来ます。
大阪、神戸を含む関西圏で永住許可申請をご検討の方は当所にご相談下さいませ。
参考費用
報酬:140,000円(税込154,000円)
(内訳)1人目115,000円(税込126,500円)+2人目25,000円(税込27,500円)
ですので、1人のみ許可の場合は、115,000円(税込126,500円)の報酬となります。

※別途郵送費1,008円
※入国管理局へ納付する収入印紙1人8,000円は別途必要です。
お客様の情報
韓国籍/京都府/男性+子

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