引田法律事務所(日本保証)の執行文も消滅時効で無事解決
2019/8/22
ジャンル | 消滅時効援用 |
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ご相談内容
裁判所から、日本保証(旧武富士)の執行文という訳の分からない書類が届いたということでご相談頂いた事例。
解決方法、内容
ややこしいお話なので、まず、裁判・差押えの流れからご説明します。
武富士などの借金を延滞し、相手業者から裁判を起こされた場合、裁判に対応しなればほぼ相手業者の勝訴判決が下ります。
相手業者はこの勝訴判決(債務名義と言います)をもって、債務者の給料など財産を差し押さえすることが出来ます。
しかし、この勝訴判決を使えるのは、その裁判を起こした会社しか使えません。
今回のように、武富士から債権を引き継いだ日本保証という会社が、武富士という会社が取った勝訴判決を使うには、承継執行文という執行文を裁判所書記官に付与してもらわなければなりません。
その「勝訴判決を日本保証が使っていいですよ」という文書が今回の執行文というものなのです。
さて、では今回裁判所から執行文が届いてしまったという状態で、消滅時効が使えるかどうかという問題ですが、誤解されやすいのですが、この「執行文」自体は時効には影響はありません。ですからこの執行文が届いても時効期間が経過してさえいれば時効手続きは可能です。
注意すべきポイントとしては2点、
⑴勝訴判決の確定時点から10年以上経過しているか?
⑵その後差押えはされていないか?
ということです。
武富士等サラ金業者の時効の条件は簡単に言うと、
①5年以上支払っていない②5年以上相手業者と返済の約束をしていない③10年以上裁判されてない
ということですが、
③の「10年以上裁判されてない」とは、詳しく言いますと、一度裁判で勝訴判決をとられると、その判決確定時点から、10年で時効になる債権に変わるということになります(民法第174条の2)。
ですから、勝訴判決確定が2008年4月1日だった場合、その後何もなければ2018年4月1日を経過すれば時効手続きは出来ることになるのですが、例えば2010年10月に相手業者がその勝訴判決を使って銀行口座の差し押さえを行っていれば、その時点からまた10年時効が延びますので、2020年10月まで時効は出来ないということになります(仮に銀行口座にお金がなく、差し押さえできなかった場合でも時効中断します(大判:大正15年3月25日参照))。
今回はまず、元々の裁判が平成18年であった為、判決確定からは10年以上経過しているであろうことが推測出来ました。
そしてお客様のご記憶の範囲内では、裁判所から差し押さえの通知などは受け取っていないし、判決以降支払も話し合いもしていないということであった為、時効の条件が揃っている可能性があると判断しましたが、なにぶん10年前の話ですので、差し押さえ通知が届いていても忘れてらっしゃる可能性もあると思われた為、その可能性も十分に説明したうえで、ご依頼頂くことになりました。
契約締結後、すぐに日本保証に消滅時効援用書面を作成し内容証明郵便で送達しました。
そして10日後、日本保証側から、消滅時効成立を認める書面とともに、武富士と依頼者様が結ばれた原契約書も依頼者様のところに届き、無事時効が成功致しました。
損害金も含めると300万円程度になっていた借金だったということで、裁判所から執行文も届いて困ってらっしゃったので、本当にありがとうございましたと喜んで頂けました。
当職も微力ながらご依頼者様のお役に立てよかったです。
武富士などの借金を延滞し、相手業者から裁判を起こされた場合、裁判に対応しなればほぼ相手業者の勝訴判決が下ります。
相手業者はこの勝訴判決(債務名義と言います)をもって、債務者の給料など財産を差し押さえすることが出来ます。
しかし、この勝訴判決を使えるのは、その裁判を起こした会社しか使えません。
今回のように、武富士から債権を引き継いだ日本保証という会社が、武富士という会社が取った勝訴判決を使うには、承継執行文という執行文を裁判所書記官に付与してもらわなければなりません。
その「勝訴判決を日本保証が使っていいですよ」という文書が今回の執行文というものなのです。
さて、では今回裁判所から執行文が届いてしまったという状態で、消滅時効が使えるかどうかという問題ですが、誤解されやすいのですが、この「執行文」自体は時効には影響はありません。ですからこの執行文が届いても時効期間が経過してさえいれば時効手続きは可能です。
注意すべきポイントとしては2点、
⑴勝訴判決の確定時点から10年以上経過しているか?
⑵その後差押えはされていないか?
ということです。
武富士等サラ金業者の時効の条件は簡単に言うと、
①5年以上支払っていない②5年以上相手業者と返済の約束をしていない③10年以上裁判されてない
ということですが、
③の「10年以上裁判されてない」とは、詳しく言いますと、一度裁判で勝訴判決をとられると、その判決確定時点から、10年で時効になる債権に変わるということになります(民法第174条の2)。
ですから、勝訴判決確定が2008年4月1日だった場合、その後何もなければ2018年4月1日を経過すれば時効手続きは出来ることになるのですが、例えば2010年10月に相手業者がその勝訴判決を使って銀行口座の差し押さえを行っていれば、その時点からまた10年時効が延びますので、2020年10月まで時効は出来ないということになります(仮に銀行口座にお金がなく、差し押さえできなかった場合でも時効中断します(大判:大正15年3月25日参照))。
今回はまず、元々の裁判が平成18年であった為、判決確定からは10年以上経過しているであろうことが推測出来ました。
そしてお客様のご記憶の範囲内では、裁判所から差し押さえの通知などは受け取っていないし、判決以降支払も話し合いもしていないということであった為、時効の条件が揃っている可能性があると判断しましたが、なにぶん10年前の話ですので、差し押さえ通知が届いていても忘れてらっしゃる可能性もあると思われた為、その可能性も十分に説明したうえで、ご依頼頂くことになりました。
契約締結後、すぐに日本保証に消滅時効援用書面を作成し内容証明郵便で送達しました。
そして10日後、日本保証側から、消滅時効成立を認める書面とともに、武富士と依頼者様が結ばれた原契約書も依頼者様のところに届き、無事時効が成功致しました。
損害金も含めると300万円程度になっていた借金だったということで、裁判所から執行文も届いて困ってらっしゃったので、本当にありがとうございましたと喜んで頂けました。
当職も微力ながらご依頼者様のお役に立てよかったです。
参考費用
25,000円(税込27,000円)のみ
お客様の情報
兵庫県/男性