【お知らせ】

2025/8/26(火)
経営管理ビザ超厳格化について

経営管理ビザ超厳格化について

主に宿泊事業を行う一部中国人の経営管理ビザ取得を止めることを目的とした、と考えられる経営管理ビザの要件変更が2025年10月を目途に行われる模様です。
 

⑴変更内容

この変更は稀にみる強烈な厳格化と言えます。
現在変更される予定であるのは、
①資本金 変更前:500万円以上→変更後:3000万円以上
②常勤従業員 変更前:不要→変更後:1人以上
③経営管理経験 変更前:明文上は無いが事実上は経営管理経験または事業に関連する経験、学識は求められた→変更後:経営管理経験3年以上または経営管理に関する修士以上の学位
④経営計画 変更前:作成必要だが自作でOK 変更後:公認会計士又は中小企業診断士による新規事業計画の確認が必要


となります。
①資本金については、現在日本にある会社で資本金3000万円以上の会社は全体の8.5~9%程度であり、3000万円ということはかなりの投資を求められることになります。
また資本金が1000万円を超える場合、起業ボーナスといえる2年間の消費税非課税期間がなくなりますので、新設会社としては非常に重い負担となります。
実際日本人の起業の場合で資本金が1000万円を超えるケースがほぼ0です。
私も今まで扱わせて頂いた会社設立でいきなり資本金が1000万円超の会社は見たことがありません。

②常勤の従業員を1人雇用するということは、社会保険加入を考えるとそれだけで年間400万円以上の負担がかかります。これも事業を始める時点でまだ売り上げが立つかどうかわからない状態で雇用することは非常に大きな負担です。

③経営管理経験3年以上または修士学位という部分は理解出来ますが、初めて起業するケースを考えると、起業使用している事業に関連する経験3年以上という条件も入れてもよいかと思います。

以上のとおり非常に条件が厳しくなりますので、経営管理ビザの申請は大幅に減少すると考えられます。
今後は外国人が日本で起業しようとする場合は、まず永住者になってから起業という流れがスタンダードになると考えられます。

 

⑵経営管理ビザについての説明

専門職として現行の経営管理ビザについてご説明します。

①資本金500万円は見せ金でよい?
→まず経営管理ビザ申請時に500万円の形成過程の説明を入国管理局は求めます。
例えばずっと学生や無職だったのに500万円を用意しても認められないということです。申請人の職歴などを見て500万円をもっていて不自然でないか、そして本国のその人物の銀行口座から日本の資本金受入れ口の口座まで500万円が流れていく経緯も証拠と共に提出が求められます。
ですので人から借りて500万円を見せ金として作ることは極めて困難ということです。

②経営管理ビザが取得出来たら見せ金の500万円はすぐ引き出してしまえる?
→経営管理ビザは、原則として最初の2年間は1年ごと更新になります。更新の際、直近年度の決算書の提出が必要であり、その時に資本金に欠損が出ている場合、更新が難しくなります。2年連続で欠損が出ている場合は、更新が認められず帰国しなければならなくなります。
ですから見せ金としてビザ許可後500万円をすぐ引き出す、という手法を取ると更新が出来ない可能性が高いということです。

③経営管理ビザはまともに納税や社会保険料を払っていない?
→経営管理ビザは更新時に、直近年度の住民税課税証明書と納税証明書の提出を求められます。
そこで住民税を納税しているか、給料を何百万円取っているか、社会保険に加入しているかは確認されます。住民税が未納である場合は更新は難しく、給料も300万円以下の場合は、ビザの期間は1年更新が続きます。
ですから経営管理ビザを取得後、税金を払わないとか社会保険料を払わなければ、そもそも経営管理ビザ更新が出来ません。

④経営管理ビザを取ったら親族をたくさん連れてきて、日本の健康保険を使って高額な医療を受けさせる?
→経営管理ビザを含む就労ビザの場合、配偶者と子のみ家族滞在ビザで連れてくることが可能です。
それ以外の親族(父母・兄弟姉妹・叔父叔母など)はそのようなビザは無い為連れてこれません。


⑤不動産を購入し、民泊や旅館業などをするということで経営管理ビザを取っている
→これはあると思います。実際に最近大阪府行政書士会にも中国人行政書士の方の加入が増えており、行政書士会の会合で中国人行政書士と話すと、経営管理ビザを専門で行っている、というような話も聞きます。

普通に考えますと宿泊業の経営ももちろん経営の一種ですから、それで収益が出せて納税できるなら経営管理ビザが認められて然るべきことではあります。
よくスポットがあたる中国人はやはりお金持ちですので、その豊富な資金を使って日本の物件を購入し、それで宿泊事業を行い、経営管理ビザも取る、ということは正直制度上おかしくないことなのですが、中国人のおこなう民泊が適正な運営がされていないケースが散見されたり、もともと一部の日本人にあった中国人の方への抵抗感などが相まってしまい、今回それを塞ぐ措置としてこの超厳格化が行われたと考えられます。

 

⑶今後について

経緯はともかく、これにより経営管理ビザは大幅な減少(おそらく30%以下になるでしょう)となり、あわせて外国人(及び外国人が経営する企業)経営の特区民泊の新規申請も大幅な減少になるかと思われます。

経営管理ビザについて、一部悪用をしている外国人がいることは間違いないと思いますが、その多くは真面目に事業をされている方です。

また特区民泊制度ももともと、Airbnbが日本進出した2014年頃からヤミ民泊が急増した為、それを市や国が管理する為2016年に整備されたのが特区民泊制度だったわけです。

ですから大阪市が特区民泊を始めたから民泊が増えたのではなく、ヤミ民泊が急増したから管理する為設置されたのが特区民泊制度ということも思い出して頂ければと思います(2016年ごろのニュースを検索して頂ければたくさん出てくると思います)。

今回の経営管理ビザの厳格化が、地域住民の方、そして真面目に営業されている特区民泊事業者や、経営管理ビザで真面目に事業を行い在留している外国人の方にとって、良い結果になることを願っております。