【お知らせ】
2021/8/13(金)
企業様への注意喚起(東京の行政書士及び人材派遣会社の不法就労助長罪等の逮捕によせて)
8月13日付けでメディア各社で大きく報道されましたが、【東京のビザ専門行政書士と人材派遣会社が共謀して、嘘の内容で就労ビザを取得して、違法にネパール人を就労させていた】という疑いで逮捕されました。
日本行政書士会連合会のオフィシャルサイトでも、日行連会長声明として掲載されています。
https://www.gyosei.or.jp/news/info/ni-20210813.html
今回の件はまだ疑いの段階で確定していないので一般論としてのお話ですが、行政書士と人材派遣会社が絡んだ不法就労問題はかなり多くあり、行政書士会としても頭を痛めている問題の一つです。
今回のケースも報道によればこのパターンのようで、「ネパール人を派遣会社で通訳業務に従事させる、という就労ビザを申請し、許可を取ってから食品工場で働かせていた、しかも同様の手口を70人前後行っていた」という内容でした。
工場や建設現場などの現場では「人が足りないので、国籍問わず単純労働者を1人でも多く人が欲しい」という需要があり、入管知識が少しあれば誰でも知っている【通訳翻訳業務】という就労ビザ取得手段が存在するとなると、「先生(行政書士)は定型の雇用理由書の申請人の名前だけを入れ替え、入国管理局へ申請だけしてもらったら1件〇万円渡しますよ。10人同様の内容で申請すれば100万円近い報酬を渡します。」みたいに唆され犯罪に手を染めるということになります。
そして1度そのような違法行為に手を染めると収入面からも、(違法申請を行ったという)弱みを握られるという面からも抜けられなくなってしまいます。
今回の行政書士のホームページを見ると、【個人の行政書士で年間500件のビザを発行しており、全国No1の業績】と書かれていました。
日本行政書士会連合会の行政書士名簿をみても他に使用人行政書士もいないようですから、本当に行政書士1人で年間500件の申請をしたとすれば、我々実務者からすればあり得ない数字といえます。
当所の認識では1人の行政書士で扱える件数ビザ業務に専任の場合、最大で1か月7件程度です(1つの会社にまとめて5人などの申請の場合はもう少し増やせますが)。
なぜかと言えば、行政書士は会社や申請人が言っている内容で就労ビザが取れるか?という問題だけでなく、虚偽の内容を言ってないか?というチェックもしなければならない為、数を多くさばいていくことが出来ない業務であるからです。
これは補助者に書類作成をさせていたとしても大きく変わるものではありません。あくまで補助者は行政書士の監督指示のもと業務をする者であり、申請する書類の内容についての責任は行政書士にある為、補助者が書類を作成しても結局は行政書士が全てをチェックする必要がある為です。
年間500件ということは月間42件程度ですから当所が想定する数の6倍程度です。
数からすると、まともにチェックし、考察しながら業務をしていたとは考えにくい数といえます。
また人材派遣会社だけでなく、派遣を受けていた工場も入国管理局法違反となる可能性が高いものです。
企業様から外国人雇用相談を受ける機会は多いですが、「派遣で外国人労働者はもう使ってます」というお話を聞くことは少なからずありますが、かなり危ういものです。
工場での単純労働が認められる在留資格は基本的に、
①技能実習ビザ・特定技能ビザ
②日本人の配偶者等ビザ・永住者ビザ・永住者の配偶者等ビザ
③定住者ビザ
④特定活動46号ビザ
⑤資格外活動許可を受けた週28時間以内のアルバイト
のみです。
もし単純労働なのに技術・人文知識・国際業務ビザだった場合は、虚偽申請でビザを取っている可能性がありますので、派遣会社に確認し、実際の業務内容と、管理局に申請した業務内容が相違する場合は直ちに業務に従事させることを止めて下さいませ。
そのまま放置すると、会社様(代表者および担当者)自身も不法就労助長罪(入管法第73条の2 3年以下の懲役、または300万円以下の罰金)に問われる可能性があります。これは「派遣会社が大丈夫と言っていたから違反とは知らなかった」と言っても罪は免れません。
外国人雇用で不明な点がありましたら、専門の行政書士に一度ご相談なさってくださいませ。
日本行政書士会連合会のオフィシャルサイトでも、日行連会長声明として掲載されています。
https://www.gyosei.or.jp/news/info/ni-20210813.html
今回の件はまだ疑いの段階で確定していないので一般論としてのお話ですが、行政書士と人材派遣会社が絡んだ不法就労問題はかなり多くあり、行政書士会としても頭を痛めている問題の一つです。
⑴就労ビザの概要
まず前提として、原則的に日本でフルタイムで就労する場合、大学卒業以上の知識の必要な、ある程度高度な仕事でなければ就労ビザが取れない仕組みになっています(技能実習や日本人配偶者ビザの方等例外はあり)。⑵不法就労の手口
しかし「大学卒業者の場合は、母国語を使った通訳翻訳・語学指導」なら、基本的にビザが取りやすくなっており、これを悪用して就労ビザを取らせ、実際は工場やホテルなどで単純労働をさせるという手口が一部団体で横行しております。今回のケースも報道によればこのパターンのようで、「ネパール人を派遣会社で通訳業務に従事させる、という就労ビザを申請し、許可を取ってから食品工場で働かせていた、しかも同様の手口を70人前後行っていた」という内容でした。
⑶行政書士という資格と入管手続きの問題点
仕事の取れない困窮している新人行政書士などに甘い言葉を囁くのが人材派遣会社という構図です。工場や建設現場などの現場では「人が足りないので、国籍問わず単純労働者を1人でも多く人が欲しい」という需要があり、入管知識が少しあれば誰でも知っている【通訳翻訳業務】という就労ビザ取得手段が存在するとなると、「先生(行政書士)は定型の雇用理由書の申請人の名前だけを入れ替え、入国管理局へ申請だけしてもらったら1件〇万円渡しますよ。10人同様の内容で申請すれば100万円近い報酬を渡します。」みたいに唆され犯罪に手を染めるということになります。
そして1度そのような違法行為に手を染めると収入面からも、(違法申請を行ったという)弱みを握られるという面からも抜けられなくなってしまいます。
今回の行政書士のホームページを見ると、【個人の行政書士で年間500件のビザを発行しており、全国No1の業績】と書かれていました。
日本行政書士会連合会の行政書士名簿をみても他に使用人行政書士もいないようですから、本当に行政書士1人で年間500件の申請をしたとすれば、我々実務者からすればあり得ない数字といえます。
当所の認識では1人の行政書士で扱える件数ビザ業務に専任の場合、最大で1か月7件程度です(1つの会社にまとめて5人などの申請の場合はもう少し増やせますが)。
なぜかと言えば、行政書士は会社や申請人が言っている内容で就労ビザが取れるか?という問題だけでなく、虚偽の内容を言ってないか?というチェックもしなければならない為、数を多くさばいていくことが出来ない業務であるからです。
これは補助者に書類作成をさせていたとしても大きく変わるものではありません。あくまで補助者は行政書士の監督指示のもと業務をする者であり、申請する書類の内容についての責任は行政書士にある為、補助者が書類を作成しても結局は行政書士が全てをチェックする必要がある為です。
年間500件ということは月間42件程度ですから当所が想定する数の6倍程度です。
数からすると、まともにチェックし、考察しながら業務をしていたとは考えにくい数といえます。
⑷企業様への注意喚起
外国人労働者を雇う場合、行政書士や会社は虚偽申請などがあれば責任を問われ、資格停止や禁止、刑法上の犯罪者にされてしまう危険性があります。また人材派遣会社だけでなく、派遣を受けていた工場も入国管理局法違反となる可能性が高いものです。
企業様から外国人雇用相談を受ける機会は多いですが、「派遣で外国人労働者はもう使ってます」というお話を聞くことは少なからずありますが、かなり危ういものです。
工場での単純労働が認められる在留資格は基本的に、
①技能実習ビザ・特定技能ビザ
②日本人の配偶者等ビザ・永住者ビザ・永住者の配偶者等ビザ
③定住者ビザ
④特定活動46号ビザ
⑤資格外活動許可を受けた週28時間以内のアルバイト
のみです。
もし単純労働なのに技術・人文知識・国際業務ビザだった場合は、虚偽申請でビザを取っている可能性がありますので、派遣会社に確認し、実際の業務内容と、管理局に申請した業務内容が相違する場合は直ちに業務に従事させることを止めて下さいませ。
そのまま放置すると、会社様(代表者および担当者)自身も不法就労助長罪(入管法第73条の2 3年以下の懲役、または300万円以下の罰金)に問われる可能性があります。これは「派遣会社が大丈夫と言っていたから違反とは知らなかった」と言っても罪は免れません。
外国人雇用で不明な点がありましたら、専門の行政書士に一度ご相談なさってくださいませ。