個人事業主の建設業者様のシンプルな法人設立手続き
個人事業主の建設業者様のシンプルな法人設立手続き
2021/12/1
ジャンル
ご相談内容
個人事業で建設業をされているが、売り上げも大きくなってきたため節税面でも、元請に対する信用面でも法人成りをしたいというご相談

当所のお客様からのご紹介でご相談頂いた事例
解決方法、内容
会社設立の流れは、
⑴定款作成
⑵公証人による定款認証
⑶資本金の払い込み
⑷司法書士による会社設立登記

という4段階の作業となります。
上記⑴~⑶までを行政書士である当所が行い、⑷を提携の司法書士がおこないます。


⑴定款作成
会社の法律のことを定款(ていかん)といいます。
定款のひな型がありますので、お客様がこれからやりたい事業内容に沿って修正していく作業です。
具体的には、
①会社名、②会社種類、③本店所在地、④公開非公開会社、⑤事業目的、⑥資本金額、⑦役員構成、⑧決算期(事業年度)等を決めていきます。

①③はもともとお客様が決めてらっしゃいます。
②は4種類ありますが、ほぼ【株式会社】か【合同会社】の2種類からの選択となります。
※【有限会社】は会社法の改正により現在はもう新規設立は出来なくなっております。
合同会社は株式会社より設立費用が10~15万円前後安いですが、社会的信用としては株式会社の方が高くなります。
④は新規設立する小規模会社の場合、ほぼ100%非公開会社となります。
非公開会社とは会社の株を他人に譲渡する場合に、会社の承認がなければ譲渡出来ない会社のことですが、大きなメリットとしては、取締役の任期が2年から10年に延ばせるという点です。
2年に一度変更登記をするなど手間ですし、費用もかかるので、それを5倍に増やせるのは大きなメリットといえるでしょう。

ですので、①~④は特に検討は不要です。
行政書士として検討すべき部分は⑤以降となります。

⑤事業目的
どのような事業をするかという点ですが、会社法上、この事業目的に定められていない事業を行っても罰則はありません。
しかし別の問題が発生することが多くあります。
1つは事業資金融資です。
融資を受ける際には事業計画書を作成して融資を申し込みますが、その計画と定款の目的が合致していない場合は、疑問を持たれ融資がおりにくくなるという可能性がありますので、長期的にいろんなことをする可能性があるからとりあえず色々目的に入れ込もう!という考え方が避けたほうがよいでしょう。メインの仕事は3,4件に絞り込んで、それに付随するものを入れて8,9件くらいの目的がよいでしょう。

もう1つは許認可にかかわる問題です。
例えば建設業許可を受ける場合、会社の目的にその建設関係の目的が入っていなければいけませんし(大阪府知事許可の建設業許可であれば【土木建築工事の施工、請負】で全28業種を網羅出来ます)、資本金も500万円以上にしておけば、許可が取りやすくなるという点もあります。宅建許可を受ける場合は、会社の目的に不動産関係の目的が入っている必要があります。
我々行政書士は許認可関係のプロですので、この部分は税理士や司法書士の先生に依頼されるより行政書士に依頼された方が間違いな設立が出来るといえるでしょう。

そしてもう1点、外国籍の方が会社を設立する場合は、その会社の目的や資本金が投資経営(経営管理)ビザの許可率に大きく関係関係しますので、ビザと会社設立は一体で動かす必要がある為、この場合は行政書士に依頼されなければ会社が出来ても、ビザが取れないという事態になってしまう危険性があります。

⑥資本金額
現在株式会社は資本金1円でも設立できるようになりましたが、実際のところ資本金1円の会社に信用力は皆無ですので、少なくとも100万円以上の方が良いでしょう。
そして前述のとおり、許可関係やビザ関係が絡むお客様の場合は、資本金500万円以上が必須の場合もあります。

⑦役員構成
1人で設立される会社であれば「取締役1名以上」という取り決めでよいと思いますが、
建設業許可を取得される会社様の場合は、【経営業務の管理責任者】が必要であり、通常社長様がなりますが、社長様に万一のことがあった場合に、交代できる親族を社長に充てることがあります。この場合、【経営業務の管理責任者】には文字通り、【建設業の経営の経験が5年以上必要】です。
ですので奥様やお子様を取締役に入れておいて、万一の時に【経営業務の管理責任者】に出来るよう、登記簿上経営経験(年数)を積ませておくということが必要です。

また経営ビザが関係する場合は、出来たばかりの会社で複数取締役を入れて経営ビザを申請しても「小さな会社に経営者が何人もいらないだろう」という判断をされる可能性のがありますので、無駄に多く取締役をいれないよう注意が必要です。

⑧決算期(事業年度)等
事業年度は原則1年に1回です。
大きい企業は4/1~3/31までとするケースが多くありますが、小さい会社の場合、税金の関係上、設立時点から1年間という設定にした方が得なケースが多いです。
1つ目は消費税です。
会社設立した場合は、最初の2期は原則消費税は非課税となります(半期で売り上げが1000万円を超える場合などは来期から消費税がかかってきたりすることはありますが)。そういう意味では、1期目は1年会った方が消費税非課税期間が長くなるので得と言えます。(令和5年からはインボイス制度がはじまりますので、少し変わりますが)
また会社設立した後は税理士と顧問契約されるケースが多いと思いますが、決算手続き費用は通常顧問料3か月分取られますので、出来るだけ決算期は遠い方が得と言えます。
そういう面からも決算期をどうしたほうが得なのかを検討する必要はあります。


⑵公証人による定款認証
上記定款作成が終われば、公証人に定款認証をしてもらいます。
この行程でお客様にして頂くことは、社長様個人の印鑑証明書をご準備頂く程度です。


⑶資本金の払い込み
定款認証が終わってから資本金の払い込みをして頂きます。
具体的には、発起人となる社長様の個人口座に、社長様個人名義で資本金相当額を振込して頂き、その払い込み証明書か、または通帳のコピーを頂き、個人の実印を押印頂くという手続きです。


⑷司法書士による会社設立登記
ここまで進むと、司法書士の手続きとなります。
登記申請書類に記名押印等をして頂き、司法書士が管轄法務局に設立登記申請を行います。
問題なければ申請から1週間程度で設立登記完了となり、無事会社設立となります。


※当所に依頼されるメリット
上記のとおり行政書士は許認可やビザのプロですので、今後その事業をする為の許認可やビザまで見据えて会社設立が出来ます。
許認可は我々行政書士が、登記や法律関係は提携司法書士が担うため、間違いのない会社設立が可能です。
税理士の顧問契約が条件などという余分なものはなく、シンプルで確実な会社設立をご希望のお客様は当所にご相談頂ければと思います。
参考費用
⑴報酬
・行政書士報酬:35,000円(税込38,500円)
・司法書士報酬:50,000円(税込55,000円)
報酬合計:85,000円(税込93,500円)


⑵実費
・登記費用:150,000円(合同会社の場合は60,000円)
・公証人による定款認証費用:52,000円(合同会社の場合は0円)
・他に設立後に銀行で口座開設等の為、設立した会社の謄本・会社の印鑑証明書が必要となる為、各2通取得費用:2,100円
実費合計:204,100円(合同会社の場合は62,100円)
お客様の情報
大阪府/建築業者様

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