連棟長屋の一部を利用する特区民泊、消防設備不要に
連棟長屋の一部を利用する特区民泊、消防設備不要に
2019/5/7
ご相談内容
大阪市内で、2連棟長屋の内の1軒で特区民泊をする民泊申請のご相談を頂き、消防署と折衝の上、自動火災報知設備等の民泊用の消防設備を設置しなくても消防法令適合通知の交付が可能という回答を得た事例
解決方法、内容
特区民泊をする場合、最も大きな問題は消防設備です。
まず、2階建ての戸建てで民泊をする場合、約250,000~400,000円の民泊用の消防設備費用が必要となります。


連棟長屋の一部で民泊をする場合、原則として、民泊をしない部分にも全て、民泊用の消防設備を設置しなければなりませんので、上記の何倍かの必要がかかり、大変な負担となります。

そこで連棟長屋の一部で民泊をする場合、2つの特例を検討することとなります。
◎1つ目の特例は、自動火災報知設備設置が、民泊部分だけでよくなる特例です(避難誘導灯等は他の長屋部分に設置必要です)。

以下5つの条件をすべて満たしている場合は、民泊部分のみに消防設備を設置すれば足ります。

①長屋全体の延べ床面積が1000㎡未満であること。
②各戸全ての玄関が、避難可能な道路に面していること。
③各戸間で階段、廊下などの共用部分を有しないこと。
④所有権原又は管理権原が、各住戸ごと別々に分かれていること(持ち主又は借主が、全戸別々の人であることが必要という意味です)。
⑤各住戸が、小屋裏まで開口部のない耐火構造又は防火構造の界壁で区画されており、かつ、給水管、配水管及び換気・冷暖房設備の風道が当該界壁を貫通していないこと。



◎そして2つ目の特例は、民泊以外の部分だけでなく、民泊部分にさえも、民泊用の消防設備を設置しなくても済む特例です。

条件としては、
長屋全体に対し、民泊部分が1/2未満、かつ、50㎡以下の場合、建物全体が一般住宅として扱われ、民泊用消防設備設置は不要となります。
この2つ目の特例は、必要な消防設備が0円になるという非常に強力な特例です。

今回の物件は、2連棟長屋でしたので、通常は同じサイズの長屋が2つあるはずで【民泊部分が1/2未満】という部分をクリアできないはずでしたが、たまたま数年前に土地家屋調査士が作成した建物図面が存在し、その図面を確認すると、民泊部分が住居部分にくらべ、1.3㎡だけ少なくことが分かりました。
また民泊部分の延床面積も48㎡であったので【民泊部分が50㎡以下】という条件もクリアしていたため、その建物図面をもって、管轄消防署に折衝に行った結果、ギリギリ特例を使えるという回答を得ることが出来ました。

消防署に民泊設備相談に行くと、特例のことまで教えてくれないことがほとんどです。
上記ケースでも、こちらから図面を出して特例のことを切り出すまで消防署からは教えてくれませんでした。
特例を使えたで0円でしたが、特例が使えなかったら、600,000円ほど消防設備が必要となる物件でした。
行政書士は、このような経験知識がある為、消防署とも折衝が出来ますので、民泊申請でご不安な方は専門家である行政書士にご相談、ご依頼くださいませ。

※ただし、今回の物件は通常住宅に設置されているはずの「住宅用火災警報器」すら設置されていなかったため、「住宅用火災警報器」の設置だけは必要となり、約40,000円ほど必要となりました。
参考費用
0円

※当所は特区民泊許可が取得できた時点で報酬を頂く為、消防設備の段階で別途費用は頂きません
※住宅用火災警報器が設置されていない場合、住宅用火災警報器の費用として、約40,000円のみ必要となりました。
お客様の情報
大阪/株式会社様

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